Goodby、Ponta
村上"ポンタ”秀一、2021年3月9日逝去。
再掲「猫の夜会ライブラリー」
AUTHOR: brary
TITLE: 自暴自伝/村上ポンタ秀一/文藝春秋
CATEGORY: texted by brary
CATEGORY: 書籍・雑誌
DATE: 01/12/2005 08:14:40 PM
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私も若い時分、人並に「音楽こそ人生」のときがありました。僅かな小遣いですから、LPやコンサートは大イベントで、毎日エアチェック。しまいには蓋がしまらなくなってしまったラジカセをセロテープで固定して。そんな私の日々が、村上ポンタの『自暴自伝』の中にありました。興奮のあまり、3時間で読破。極私的な喜びですので、興味のない方には全然ないと思いますが。(続き、読まなくていいです。)
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村上ポンタは日本を代表するドラマーです。活動範囲は広く、ジャズから歌謡曲まで物凄い数をこなしています。
ボーカリスト、ギタリストなど、好きなミュージシャンは何人かいた(いる)のですが、同じ人を最初から最後まで好きとは限らない。この人はこの時代がよかった、というような評価が私の中にある。それがポンタとドンピシャだった、というのが最大に興奮した理由です。
○五輪真弓なら70年代前半。
○山下達郎は「It's a poppin' time」から「Ride on time」まで。(Ride on~以降と以前がある。)
○山本潤子は別格。
○吉田美奈子。デビューからずっと同じ姿勢で唄いつづける、日本最高の女性ボーカリスト。
○深町純は凄いけど硬い。
○高中はだるい。
○高橋幸宏はドラマーとしては「テケテケ」だが、「サラヴァ!」はいい。
○渡辺香津美「マーメイド・ブールヴァード」の新しさ。KYLYNとカクトウギ・セッションのこと。
○佐藤博のアレンジ。
○大村憲司。
1970年代の終わりごろから1980年に入る頃まで。フュージョンがジャンルになってしまう前の、本当の意味での「クロスオーバー」が行われている頃の音楽シーンは、ドキドキするぐらいエキサイティングでした。アメリカのミュージシャンと日本のミュージシャンが当たり前みたいにセッションを始めたのもこの頃。この辺の流れ、佐野史郎が詳しいんだけど。(多分一晩語り明かせると思います。)
読み終えて思ったのは、思えばいつもポンタがいた、ということ。シュガーベイブが好きで香津美が好きで、アルバムは当然フィーチャーされるミュージシャンのものだけど、変遷を辿れば変わらずいるのはポンタだった。私はもしかしたら、村上ポンタ秀一のファンだったのかもしれないと思うのでした。ホントごめんなさい、極私的で。でもどうして文春から出たのかなあ。しかもA5ハードカバーの1800円。(texted by brary)
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