東京brary日乗

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格子のきもの

ちくまで先月からはじまった「小津ごのみ」における、中野翠の指摘。


○「彼岸花」以降、小津映画に出てくる女優は「どんな立場人間でも格子の着物にほとんど無地の帯」というありえない衣装で現れる。それは、浦野理一という人の物である。その着物には理由がある。


すこし古い映画にうつる風俗をみて、リアリズムなどというのは誤りとわかる。さらに、幸田文全集の表紙のあの格子も浦野理一の着物で、それは「幸田格子」というのだそうである。しびれる。
そういえば先日、ようやく成瀬巳喜男の「流れる」をみたのだった。