東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

麹町の一日

朝丸の内のことについて書いていたら、麹町のことが調べたくなった。今日は夕方平河町に行くので、午後麹町を歩きがてら、四番町図書館に行けばよい。図書館カードが増えすぎたので買いたいと思っている、カードを入れるリフィルも麹町駅前の万力屋で買える。天気も上々となったので、ネットで蔵書をしらべ、志の輔ラジオで枝雀の「夏の医者」(すごかった)を聴いてから出かける。


麹町は仕事で何度も行ったが、番町はぶらぶらするところではないのであまり歩かない。もちろん高級マンションと女学校の町だが、事前に麹町区の地図を見ていったので、そのような心積もりで散歩していると、大妻の通りの向こうに寺社の塀のようなものがみえて、靖国神社の横の入口である。火曜日九段に行ったとき、時間があれば行きたかった遊就館に行ってみることにする。混んでいた。


遊就館
○展示室は大変に多い。戦争の展示である。
○戦争とは、西南の役戊辰戦争ももちろん含むのである。靖国神社は戦争の神社である。戦争は第二次世界大戦だけではない。徳川時代をはさんで、日本はずっと内戦や国外戦をしていたのである。
日露戦争の映像は、日本海海戦である。軍艦マーチにのって、バルチック艦隊を壊滅させた「誉れ高い」戦の様子が語られる。(のち、四番町図書館でみた資料で、日比谷公園にあった軍艦行進曲の碑がGHQの指示で撤去されたことを知った)
日露戦争までは、すべて英雄である。戦死は美談であり、悲壮感はない。坪内祐三靖国」にあるように、それはみなの大変な喜びであって、アミューズメントだったかもしれない。
○皇族に関するものが特別展示室に集められている。明治天皇の軍服には、足袋のこはぜをかけるような糸が無数に縫い付けられている。勲章をそこにつけるのである。昭和天皇の軍服は明治天皇より質素で、勲章をつけるところも少ない。
軍旗は焼くことを命じられたのに、ある連隊長が惜しんで隠しておいた、現存する唯一の軍旗(連隊旗)もそこにある。
売店では軍隊グッズを売っている。「日露戦争100周年記念ストラップ」も売っている。


そこに何がどのようにあり、それを人はどのように見ているかは見るべきであると考えた。四番町図書館に行って二時間あまり資料をみたあと、国立演芸場にいく。半蔵門山下書店で、小林信彦「テレビの黄金時代」文春文庫を入手。木枯らしでさくさくいう道を歩き、晩秋である。