東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

長い一日

授業は午前だけになったので、午後の計画をたてる。過日果たせなかった神保町方面を実行するのでルートを検討していると、目の前に御茶ノ水行のバスが停まったので乗る。

○北沢一階のB本屋、三省堂と岩波BCの検索を偵察。いくつか本屋をみて、東京堂草森紳一『本が崩れる』(文春新書)、ふくろうの特価本コーナーで奥村敏明『文庫博覧会』青弓社。前者については後日触れる。後者は資料として使えるので即購入、699円也。


○歩いてもうすぐなくなる万世橋交通博物館に行き、利行をみる。非常にいい絵であった。惜しむらくは、二重硝子に蛍光灯が反射して、どこからみても光ってしまう。御料車や蔵出し模型もみる。阿呆列車はこのような列車だったかとみる。適当にとばして、「人力の交通」のところに行くと、本物の駕篭があった。小学生の時みたのかもしれないが、忘れていた。


秋葉原から地下鉄に乗るに際し、「つくエク」の地上を初めてみた。地下鉄の行先は東銀座で、一年近くご無沙汰の歌舞伎座で今月かかっている、吉右衛門が書き起こしたという芝居を一幕みる考え。幕見席の売場でコンクリの上に座って買った本を読んでいると、年配の婦人がにこにこしながら近づいてきて、「おひとりで見にいらしたの?」と訊ねるのではいと答えれば、一枚切符があまっているからあげますということである。
二階席の三列目。あまりによい席なので(そして二階席に行くにはあまりに粗末ななりをしているので)いただくわけにはいかないと固辞しているうちに婦人は去り、周りの人たちに促されながら何だかわからないうちにいただいてしまったのであるが、それは株主招待券で、二枚来て一枚が余ったのである。
心ばかりのお礼と思って売店で簡単なものを見繕って席にいくと、その方は隣にすわっていて、券があるから毎月きて、一人で並んでいる人にあげている由。せっかくなので、一幕ではなくもちろん最後まで見せていただいて、お別れした。


○帰宅すると新たな事柄が生じていたので、大阪にいる義姉に電話。小一時間話す。まるで旅行に行ったような、夢のような長い一日なのであった。