東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

江戸博にて

江戸博で開催中の「ボストン美術館所蔵 肉筆浮世絵展」およびアラーキー「東京生活」をみる。ポスターをみてぜひ行きたかったが、今日本を借りに行った帰り、まだ正午にもならなかったので寄ることにした。結論から言えば、極めて充実した。


まず浮世絵。混んでいる。
○大首はなく、ほとんどが掛軸で、屏風もある。画材のテーマごとに分けられているが、圧倒的に多いのは美女遊女。明らかに花魁とわかる女の打掛に孔雀が使われているのは、現在の宝塚のトップスターのようである。退色していない、わたしの貧しい語彙では表現のしようもなく美しい紅もある。
○絵看板。歌舞伎座の前にあるあれ。現存する最古の絵看板。
○一枚絵。まんがのようで面白いのでわたしは一枚絵が好きだが、吉原三浦屋の絵はたいへんよくできている。右端に、吉原専門の担ぎの貸本屋がいる。遊女が客の膝の上で本を開いているのもあった。現在人が本を読む場面について調べているので、こういう図絵はとても気になる。
○提灯。提灯があるので、そんなものをボストンで百何十年も保存したのかと驚くが、持ち帰った人はそれをひらいて保管したらしい。それを丁寧に「再現」(提灯の形も推定)したのらしい。絵は北斎
○このコレクションを持ち帰った人(名前は忘れた)は、フェノロサが馬鹿にするのを説得して集めた。日本の調査団は1996年に内容を知った。その驚きを想像するに余りある。


アラーキー。すいている。
○入口に「さっちん」がいる。
○この展覧会は、1960年代から現在に至る、ミニアラーキー回顧展である。従って、写真のほとんどは既に発表されて目にしている。しかしこのようにコンパクトに集められる密度の濃さに驚かざるを得ない。まだ電通にいる頃に作っていたときくスケッチブックの写真集そのものが展示されているし、実家の三ノ輪の下駄屋(巨大な下駄が屋根についている)の写真がいくつもあって、荒木経惟という人の個人にずんずん引き込まれていく気がした。出るとまた三河島の子どもたちの写真に囲まれたので思わず泣きそうになったが、そこに立っている警備の人はそうでもないらしかった。


どうでもよいことだが、今日(10/31)のgoogleはなぜ包帯を巻いているのか?