立ち話

帰ってから雑用のため近所に出ると、商店街は師走の気配である。別にクリスマスの飾りつけがあるわけでも大売出しでもないが、いつもより店の人が客と話をしている気がした。立ち話をしている人もあちらこちらにいる。仕事を辞めてから少しずつ町の人間になりつつあったが、まだ気軽に立ち話のできるような人がいない。残念に思いながら歩いていると、家の手前でかつて聞き書きにお邪魔した方にばったり遭遇した。お宅には二度伺って、その後も何度かお電話をしている。
元、築地場内で寄せ物屋のおかみさんをしていらした方である。今日は近くにある特別養護老人ホームのボランティアで、デイサービスに来た方と一緒に国会議事堂を見学なさった由。わたしも立ち話ができて、うれしく帰る。