東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

ことばとは

NHKで「ことば あふれ出る教室」の再放送をみた。横浜市立盲学校の上級生6人のクラスを紹介したもので、生徒は漢字の学習をしていた。たとえば「道」という字は首にしんにょうだが、しんにょうの意味について先生がきく。しんにょうは足で歩くことを意味する。生徒たちは「遠」「通」「週」などしんにょうのつく字を口々に言って、そこにしんにょうの意味があるかどうか考えさす。
「週」について答えた生徒は、「一週間ははじめは一週間あるが、だんだん少なくなって最初が遠くなる」と言った。先生は目の見えない子どもたちが、力のあることばを得るように考えている。からだもたくさん動かす。
驚嘆すべきは番組のナレーションもつとめている当時6年生の大塚優里菜さんが話す日本語の豊かさ、美しさであった。ほっそりした優里菜さんが口をひらくとき、ことばは湧き水のごとく彼女の全身からあふれている。わたしは彼女のX倍生きているが、及びもつかぬ。ただ話したり、本を朗読したりしているだけなのに、彼女のことばをもっと聞きたい。ことばに命を吹き込むとはこのことであったかと思わざるを得ない。