東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

師走の人形町

用足しをするのに、自転車で人形町にゆく。川伝いにゆくと、水天宮までとても早くいけることを先日発見したので、人形町はより身近になった。
水天宮に入ると、既に街は謹賀新年の提灯で飾られている。ニッキの匂いのする壽屋で黄金芋、三原堂で塩せんべいをそれぞれ送ってもらうと、商店街の福引の券をくれた。くじを引かないのなら割り引きますとも言ってくれたが、歳末らしくてうれしかったので福引をすることにした。しかし、福引はティッシュサランラップなどをくれるのではなくて、現金つかみどりで残念である。人形町にしては芸がない。二本ともはずれたので100円もらう。


本屋(ブックスピスモ)で本を買って帰ろうとして、ふと「富久」を思い出す。「富久」はわたしが最も愛する歳末の落語で、幇間の久蔵が富くじをひく堀留町の椙森神社はすぐ近くにある。日本橋図書館で、位置を確認する本をかりて参拝。その本の椙森神社が載っている地図には、「地本問屋跡」というような重要なことも書いてあったのでその「跡」を走っていると、「田村駒」東京支社発見。田村駒は繊維問屋で、走っている伝馬町は横山町につづく繊維問屋街だからあたりまえだが、田村駒はなき松竹ロビンスのオーナーとしても知られている(参考:中野晴行『球団消滅』ちくま文庫)。


というようなサイクル散歩をしていると三時になったので、秋に入れなかったサンドウィッチパーラー(サンドウィッチパーラーまつむら)でコーヒーとあんぱんでおやつにして、食パンを買って帰る。なお、福引の100円はお賽銭にした。