東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

読み書きと絵と写真

やや長い文章を書いて出さねばならず、先週から辞書と首っぴきで英語と格闘している。上達したのかどうか全く定かではないが、書く練習をすると読むのが楽になることを知った。
読書とは常々想像力を養うものと思ってきたが、書かれたのと同じ言語で書いてみることによって、書き手の意図や筋道を理解しやすくなるらしい。読むことから書く力は培われるのだと考えてきたが、逆もまた真なり。


夜、テレビ東京で『美の巨人たち』をみた。絵を志し、印象派に魅せられて自ら貧しい画家たちのパトロンとなった富豪の青年、ギュスタフ・タルボットについて。美術館を構想して絵を買い集め(後のオルセーのコレクション)、根気よく個性の強い画家たちの調整をした話も面白いが、タルボット自身の絵はさらに興味深い。彼の絵は、写真を基に描かれた。それ自体珍しいことではないが、そのために肉眼と意識がとらえないものが反映された。たとえばその構図は広角レンズによらねば不可能であったり、画面の端に半分だけものが描かれていたりする。タルボットはわざとカメラを使ったのであり、写真は絵画を変えたのであった。
来週は長谷川利行岸田国士像。必見。