東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

ネンディ、みたびあらわる

仕事で築地にいたので、京橋図書館のリサイクルデーに行ってしまうことになったのである。二つ目の部屋に入るなり、『ぼくはネンディ』(マリア=コブナツカ作・内田莉莎子訳・1968年・学研)に再会してしまった。むかし学研は、すぐれた海外児童よみものをたくさん翻訳していて、それはほぼ絶版になっている。
ネンディは、小さなトーシャが図工の時間にねんどでつくった。

ぼくは大きな赤いはなと、つきでた耳をして、みどりのパンツをはいています。組じゅうの子が、すてきだってほめました。(『ぼくはネンディ』

ネンディは、トーシャのふでばこに住んでいる。ふでばこには、鉛筆とペン軸、ペン先、消しゴム、ナイフが住んでいる。わたしは小学校低学年のときに学級文庫にあったこの本が異常に好きであった。そして高学年になったある日、学級文庫がリサイクルされて好きな本を一冊持って行ってよい、ということになって、その中に表紙のとれたネンディがあった。それらは、いったんうちにきてから、ムーミンリンドグレーンとともに、親戚の子にもらわれていった。


しかし、ネンディはまたまたあらわれたのである。ねんどだからネンディだが、ポーランド語でねんどのことを「nendo」とはいわないので、原題は「Plastusiowy Pamietnik」というのだった(よめない)。日本版の挿絵は山脇百合子。ネンディは今机の上にある。


○机の上にある本
ローレンス・ブロック 田口茂樹訳『泥棒は哲学で解決する』早川ポケットミステリ
久野収鶴見俊輔『思想の折り返し点で』朝日選書
中野翠『甘茶日記』毎日新聞社
内田樹『女は何を欲望するか?』径書房
マリア=コブナツカ作・内田莉莎子訳『ぼくはネンディ』学研
中村健一『論文執筆ルールブック』日本エディタースクール
『30人が語る楽しみの発見 モーツァルトから志ん朝まで』
  (鼎談集。中村勘九郎中野翠丸谷才一「歌舞伎はこんなに面白い」、
   ドナルド・キーン黒田恭一富士真奈美「オペラ体験のすすめ」など収録)
山口組若頭』洋泉社
『缶詰百科』柴田書店
『日本の小出版社』柘植書房
「文藝」2006年夏号 特集高橋源一郎
「文藝」2006年秋号 特集いしいしんじ
「母の友」2004年12月号、2005年5月号(辰巳芳子の料理講座収録)
論座」2007年3月号
印刷雑誌」2006年7月号 特集デジタル時代の本づくり