東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

雄呂血

誘ってくださる方があり、阪東妻三郎の『雄呂血』を特別オーケストラ付き上映する催しにゆく。コンポーザーは清水靖晃活弁坂本頼光東京国際映画祭の一環であることがわかったが、会場は明治神宮内の神宮会館明治神宮に入ったのは七五三以来かもしれず、そういうものがあることを知らなかった。明治神宮は、今の社殿ができて50年経ったので、入口は奉納の札で大変賑々しい。神宮会館は宗教の集会施設だから、非常に大きい。
どういう経緯で集まっているのかわからないが、老若男女の人々がいる。


催しがどのような段取りで進むのか、ということについては説明がない。パンフレットには出演するさまざまな人の名があるが、プログラムがない。
みていると、突然フェンシングの太田選手と、学生の選手が現れて試合をした。競技をアトラクションに使うのはどうかとも思うが、さすがに迫力がある。試合後、三味線の人が出てきて演奏し、二選手はそれに合わせてさらに剣のパフォーマンスをした。漸くわかったが、太田選手の登場は「ちゃんばら」という趣向であった。
何度も言うが、それはまったく説明されないのである。


しかし、結論からいえばフェンシングもオーケストラ入りの『雄呂血』も、活弁も素晴しく面白かった。映画は、テレビで澤登翠先生の活弁でみて、それでも充分すごいと思ったが、大スクリーンでライブの活弁は実にエキサイティングといえる。
『雄呂血』の主人公、久利富平三郎は「嫌われ松子」のように負の連鎖に入り込んでしまう者であり、最大の見せ場はラストの殺陣。本日の弁士、坂本頼光は弱冠29歳の若さで、大劇場を見事に沸かした。


サンスポ・コムを見ていたら、岡田との哀切な別れについて累々と記事があり、思わず涙してしまったのでデイリー・スポーツを買う。