聖橋の本屋

春の陽気なので、スーツの上に軽いコートを着て出かける。春節の里帰りから戻ってきた友だちと学校でごはんを食べ、駿河台にゆく。時間が半端にあいたので、歩いてゆくことにした。

用事を済ませて辞去すると、まだ外は充分に明るくて暖かい。電車に乗るのがもったいないので、聖橋からみえる線路や秋葉原の高架や、まだ咲かない桜の木を見物した。聖橋のたもとでは、おじさんが雑誌を売り始めている。拾ってきた雑誌にしては小口が揃っていて、どこから仕入れてきたのかわからない。今拡げたばかりなので、まだ誰も買わない。輸送兼陳列に使われる箱に、近くの大きな取次の段ボールがいっこ混じっている。湯島天神裏の坂道を上ったり降りたりして、黒門町を抜けて広小路から地下鉄に乗る。