東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

冬の時計屋さん

学校に行ったので、時計屋さんをのぞいてみる。電池がきれて一週間たつ。時計屋さんが日付を書いてくれた特別な電池だから、また同じようにしてもらいたい。先日みたとき時計屋さんはしまっていたので諦めかけていたところ、今日いた。
店に入る(どこからが店かは不明)と、時計屋さんはレシートに電池を貼ったものをいくつかならべて首を捻っている。「合わない」らしい。前来たときより腰が曲がっている気がする。そして、前回禿頭だったのに、毛が生えている。今年時計屋さんは89歳の勘定である。


開けてみて、電池に日付が入っていたので嬉しそうである。その電池はもらいたいとわたしが言ったから、古い電池はショーケースの上において、自分は作業机にいる。しかし新しく同じ電池を出したのに、古いのと同じかどうか四回確かめた。前回の日付から何ヶ月経っているかも三回数えた。作業の間は無言である。手順について、したかどうかわたしに尋ねる。仕事がすんで、レシート(の紙に手書き)に使った電池の控えをとらなければならないのに、途中でちょっとわからなくなる。糸瓜コロンはまだ並んでいたが、となりに桃屋青海苔の空き瓶も並んでいる。
お齢なのである。わずか一年あまりなのに、そして手で覚えた仕事は何の衰えもないのに、すこし元気ではない。電池が切れるまでに一年以上かかる。次もお願いしますと言って、15/12/06とかいてある電池の入った時計をはめて外に出た。