東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

リサイクルというにはあまりな、アートで候

今日と明日、図書館で不用本の配布があるのを思い出したので昼ごはんを食べてから行った。収穫すこぶる大也。


○抜いた順
梶山季之『のるかそるか』集英社文庫
源氏鶏太『堂々たる人生』集英社文庫
朝日新聞学芸部編『戦後芸能史物語』朝日選書
石井常雄『「馬力」の運送史』白桃書房
木下修『書籍再販と流通寡占』アルメディア
津野海太郎オンライン書店の誘惑』晶文社
綱島理友綱島探書堂』実業之日本社
柳田国男『物語と語り物』角川選書
松山巌『日光』朝日新聞社 (ここで一冊さよなら)
大原富枝『彼もまた神の愛でし子か 洲之内徹の生涯』講談社(さらに一冊さよなら)
ユリイカ』2005年3月号 特集ムーンライダース


文庫と柳田以外、ユリイカもふくめて大変に美本といえる。さらに最後の3点はちょっとありえない本なので手がふるえた(大げさ)。「さよなら」は、書籍は10冊までときまっているのでその時点でさよならした本があったことを示す。雑誌は制限がないのでさよならしなくてすんだ。
→本日つづく(予定)


つづき。不調のブラウザ(IE)をいじっているうちに消えていたので再録します。
昼下がりに上野のお山にのぼり、上野の森美術館で「会田誠・山口晃展 アートで候」をみる。知る限り、21世紀(まだ5年半にしかならないが)で最も面白い展覧会。出品されていた山口作品の多くは絵巻物のような細密画で、ちょんまげの人や書生やサングラスの人がいろんなことをしているので、いくら見ても見飽きない。
二階はコンセプチュアルアートの展示になっているが、たとえば100円ショップで売っているような木目調のものばかりを集めてつくったものの場合、「鑑賞者はむしろ物の本質に思いを致」するのであり、公共のマークから連想したまんがのような絵はユニヴァーサルコミュニケーションでありつつも「一方で人の営みの効率化、断片化を脅迫」したりするマークから「普遍化され体系化されたものから、私的な物語を取り出」したものだったりするのだった(パンフレットより)。
アーティストだけに難しいことも考えているのだったが、非凡な描画力から繰り出される彼の明るい諧謔性は比類がなく常に新鮮である。夕刻のギャラリートークを聴けなかったのと、図録が小さすぎてルーペを使ってもよくみえないのが残念。


堪能したあと「受胎告知」も拝見して上野桜木を歩いて日暮里から電車に乗る。