ちいさい望遠鏡
白山眼鏡店で、ゆるんでしまった眼鏡の調整をお願いしている間、椅子のすぐそばにこういうものがあって、衝動的に買ってしまったのである。
これは望遠鏡である。大きさはマッチ箱ぐらいしかない。げんこ、の中に入ってしまうくらい小さくて軽い(45グラム)。上の部分を押すと、パカと開いてレンズが現われる。ライフルの照準を作っているメーカーです、と売場の説明に書いてある。
待っているときそれをのぞいて遊んでいたら、表をみると面白いですよ、といわれた。白山眼鏡の人は礼儀正しいのでぜんぜん薦めないが、たとえば甲子園球場で藤川球児をよく見たいときとか、歌舞伎座の幕見席で仁左衛門にうっとりしたいときとか、橋の上をゆくおじさんがどんな自転車に乗っているか仔細に確認したいときに便利である。その辺の安いオペラグラスに比べたら断然クリアでフォーカスしやすくて、おそろしくコンパクトである。そして今日、最近発見されたVISAの買物券2000円分を偶然持っているから、あと2000円足せばよい。
帰って説明をみると、メーカーはエスケーケー工業といって、諏訪にある。諏訪は光学・精密器械で有名である。ひももついている。そして、反対側にするとルーペにもなって、近頃急激に細かい字をみるのがつらくなりつつあるわたしにとって、便利この上ない。
商品名はseek。下に敷いているのは、白山眼鏡店で眼鏡を買うとくれる、レコードを模したまるくてかわいい眼鏡拭きである(眼鏡ももちろん、とても具合がよくなった)。
タイガースメモ:赤星憲広、1000本安打達成。