東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

戦前の商売

新たな資料を発見したので京橋図書館にゆく。以前目撃したとおり、昭和40年以前の本は京橋での閲覧のみとなったが、京橋図書館はもうすぐ改築工事がはじまり、閲覧ができなくなるので急ぐ。今日みたのは、戦前戦後の商売に関するハウツー本7冊。コピー不可になっていたのでひたすら写した。
自分の目的に関係ないが、かつてはいろいろな商売があるのを知り、いずれも大変興味深い。昭和33年には「貸しテレビ業」というものが、有望職種として掲載されている。


刊行が昭和初期に多いのは、不況のせいで失業した人が、何か商売を始めるためである。そのうちの一冊はとりわけ多様な職種が載っていて、目次には見た人の印がついている。少なくとも三人の人がチェックをしているが、最もたくさんつけている人は鉛筆でマルを書いていて、「西洋松茸とナメ茸の栽培」に三重丸がついていた。どのようにしたら「西洋松茸とナメ茸の栽培」ができるのか、是が非でも知らねばならない。しかし、当該ページは切り取られていたのである。
東京市日本橋図書館のスタンプが押された本である。その人は昭和6年ごろ日本橋図書館で茸栽培をしてみようと考えたが、実際どうだったのかを知る術はない。
支那つぼ釣丸焼イモ屋」もあった。三種類ぐらいの商売を書いてあるのかと思ったが、これはひとつの商売名であって、「支那つぼ」にイモをつるして焼いたのを売る。解説によれば、「支那つぼ」より「京焼きつぼ」の方が上等らしい。つぼは、愛宕町の安藤商店で手に入る。


夕方、新富町から茅場町を経由して、かつて茸栽培を検討した人がいた日本橋方面に回る。蛎殻町で、胸が痛くなるくらい魅力的なサンドウィッチ・パーラーを発見した。もっと早く出ればよかったが、開演時間が迫っているので断念。日本橋劇場で、ドラムスの素晴しい「前田憲男とヤングライオンズ」のコンサートを聴いて帰る(p.前田憲男、bs.斎藤 誠、ds.大坂 昌彦、ts.川嶋 哲郎、tp.原 朋直。日本橋劇場は戦前のものではもちろんなくて、旧日本橋区役所跡にある新しいホール)。今日はミヤタアルマックスG大活躍。


追記:日本橋劇場のある日本橋公会堂に、「かっぽれ大会」のポスター発見。非常に気になる。