東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

沈黙の教室

聴講だけしようと思っていたよその講義に出たら、学生は二人しかいない。遅れて入っていらした先生はほっそりして、眼鏡の奥からきらきらと瞳の光る、見るからにやさしそうな方。もうひとりの学生も、この授業とは関係ない専攻からきている。本当の専攻からは去年も誰も出ていず、「僕の授業はいつも一人か二人なんです」とやさしくおっしゃるのだった。
内容は興味深いが物静かな方なので、ひとりずつ行う質問が途切れると教室に沈黙が漂う。窓の外は秋の気配。二十秒の沈黙が、五分ぐらいに感じられる。このような緊張の中で、万が一来週わたし一人だった場合、どうしたらよいのか。
永嶺重敏さんの新刊を買い、夕方まで学校で勉強や仕事をして帰る。