運河の動向

先週の夜用足しに外に出ると、家の前にクレーンを積んだ船が停泊していた。黒々とした風景に突然川幅に比して巨大なものがあったので、水から湧き出た恐竜のようだ。翌日掲示板が出ていて、橋梁の耐震工事を行う由。今日歯医者に行って、運河沿いの橋をすべて工事しているのを知った。運河は今、工事船舶で混んでいる。
行き止まりのところで川を眺めながらぶつぶつ言って戻ろうとすると、付近の新しいマンションの管理人さんが注視していた。私が男だったら不審者として通報されていた可能性がある。

階下のシヅエさんに教えてもらったクリーニング屋も発見した。配達してくれるというので、ローマ人帰還の際には頼もうと思っていたのに、立ち退きで廃業するとシヅエさんから知らせがあった。長屋の一画で通りに面したところに、白っぽいトタンで覆われた店はある。長屋一帯をマンション化するものと思われる。

診察室にはごく小さな音で、セルジオ･メンデスとブラジル６６の歌うワン・ノート・サンバが流れていた。先生は患者に話しかけるとき必ず名前を言うので、歯科衛生士の人も倣っている。治療はしないのでもう行かないから残念な気がする。