東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

散髪

ここ3、4年通っていた郊外の美容院が負担になって、新たな美容室を探している。
郊外の駅周辺では、異常としか言いようのない美容院戦争が展開していて、わたしの行っていた店も、徐々にもぎすぎすしたものが現われた。担当の人は同世代だが、会話(のネタを探している様子)にも些か疲れたし、頼んだ通りの髪型にしてくれない。全く同じことが、前行っていた都心の美容院でも起きている。


従って、できるだけ喋らないか、ほんとにどうでもいい話しかしない女の美容師で、チェーン店でないところ(で、パーマネントでないところ)にしたい。そのような気配の店が比較的近所にある。昔からあるようだが店は今風に改装してなかなかかわいいので、次世代も参加していると思われる。調査もした。


しかし、店内にいらしたのは黒いミニスカに黒いストッキングの、「先生」とお呼びしなければならないと思われる美容師(推定60歳)であった。壁の一面がすべて鏡なので、隣の、頭にサランラップを巻いた人(染まるのを待っている)と先生と、わたしの姿が一望。


わたしは明らかに場違いだが、先生は何も訊かずに施術してくださった。今年の最新流行に関するご提案は、危険な気がしたのでお断りしたが、余計なことも喋らない。伸びすぎたところだけ軽くしていただくようお願いした(実はこのような事態を推定して最小限のカットで済む状態で出かけている)ところ、首の廻りにタオルを巻いたりシャンプーしたりせず、白いビニールをかけていきなりはさみが入る。
ひとりなので、せまい店の辺りには髪も散らかる。
「聖子ちゃんカット」の話をしたためか仕上げのブローを聖子ちゃん風にしてくださり、20分で終了。理髪一番か!という驚異的な速さ。


しかし「その仕上げ」をしなければほぼ希望通りであって、望んだことはしてもらえた。望んだのは、散髪だった。再訪はないであろうにもかかわらず、なぜか愉快でならず。但し、美容院サーチの根本解決にはなっていない。