東京brary日乗

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日比谷、マイ・ディア

brary2007-12-21

午後日比谷公園を歩く。今年は丸の内のなんとか(名前を忘れたが、イルミネーションの催し)をしない代わりに、日比谷公園に光のクリスマスツリーその他をするらしい。今日からはじまるので、準備の人がたくさんいる。ツリーは噴水の上に設置されていて、何となく大阪万博のお祭広場(太陽の塔が突き抜ける)を彷彿とさせた。オリンピック招致のキャンペーンでもあるらしい。


しかしそのようなこととは関係なく、12月の日比谷公園は充分に美しい。銀杏はおおかた散って、最後に紅葉がのこる。あまり背の高くない紅葉は、ちょうど人びとが歩いたり腰をかけたりしている風景のフレームになる。葉の散った木々の細い枝が幾重にも重なる向こうには、いずれ取り壊される煉瓦色の日比谷公会堂がある。日比谷公会堂は、個人的に大事な場所である。


日比谷図書館で本を読む。学業を再開してから、行き詰るとヒントをくれるのはいつも日比谷図書館であった。日比谷図書館にゆくと、奇跡のように本が現われる。今日また没頭できる本に遭遇した。三角形をした日比谷図書館の窓には、すべからく障子がはまっている。地下の食堂にも行く。公共施設の食堂は外注化傾向にあるが、日比谷図書館の食堂は正しかった。コーヒーしか飲んでいないが、都立から千代田区立になることが決まっているので、食堂も変わってしまうかもしれない。そうなる前に再訪せねばならない。


十代から日比谷を愛していた。その年頃で入れる場所は、三信ビルと、公会堂と図書館とイイノホールだった。三信ビルは解体された。公園に面した飯野ビル7階のイイノホールでは、今夜最後の落語会が行われた。
立川談志が三本締めの音頭をとった。