東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

しみじみ(焼き豆腐の場合)

きょうの料理」が辰巳芳子の正月料理とあったので見た。煮しめの回で、彩りは人参ぐらいしかないのに(桜の型で抜いたりもしない)、それはもう旨そうにみえる。
煮るのはあくの強いグループとあっさりグループ各4種。前者は椎茸、鶏団子、ごぼう、蒟蒻、後者は焼き豆腐、里芋、レンコンの順に、一つ煮て一晩含ませては煮汁を次に使い回す。人参は色鮮やかにするため単独。
料理の手順も見事だが、美しい白髪をアップにし、白いセーターを着た辰巳芳子さんの話にもひきこまれずにいられない。


○椎茸に続く鶏の濃厚な味を、ごぼうが待っている。
○豆腐の味付けは濃くても薄くてもいけなくて、口に含んでしみじみするようなのがよい。
○受け継いだものは、とても長い時間をかけて、ゆっくり(しかし)変えてゆくというものだ。


今何が一番食べたいかと問われたら、迷うことなく辰巳芳子の煮しめと答える。