東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

仮面の告白

郊外の家からの帰り、上野駅構内の明正堂で本をチェックした。明正堂は御徒町が本店で、明治創業の古い本屋だが、駅の店は入るとすぐ左側に落語のコーナーがあって便利にしている。駅だけに、雑誌が豊富なのも特徴である。三津五郎の新刊(岩波)もみる。明正堂は、比較的心穏やかにいられる書店のひとつである。


実はここ2、3年、本屋が苦痛だ。大きな本屋にゆくとどうしても気持ちがあおられる。自分が取り残されていくような気がする。あれもこれもと押し出されるようにして並ぶ本は手にとりたくもなく、会いたい本に行き着くまでに疲れ果てる。古本屋は意地悪(店主が意地悪なのではなくて、これも買えば?とワゴンがささやく)だ。個性派の本屋は息が詰まるから苦手(INAXブックギャラリーを除く)である。
私の好きな、中ぐらいの本屋はほんとうに少なくなっている。今は図書館にゆけば、心休まる。しかし、本屋がつらくなるとは思いもしなかったのであり、それはほぼ人生にかかわるぐらいの大問題なのである。