東京brary日乗

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ピーター・クリフォードの憶い出

brary2008-09-20

郊外の家では、「警部マクロード」が再ブームである。郊外の家で導入しているJ-COMデジタルの「銀河チャンネル」で、NHKの吹き替えバージョンを再放送している。NHKのときは、土曜日のプライムタイム、「刑事コロンボ」と同じ枠で放送された。


マクロードはニューメキシコからニューヨーク市警に研修にきているが、カウボーイスタイルで熱血漢の設定である。事件にはほぼ毎回金髪の可愛い子ちゃんが登場し、マクロードは仲よくなって接吻に及ぶ。一体、ニューヨークにはマクロードがタイプでない女はいないのか、と思わざるをえない。
わたしの考えでは、マクロードの上司であるクリフォード刑事部長の方が五十倍ぐらいよい。クリフォード部長は小柄。ぱりっとしたトラッドスタイルで、バーバリーのトレンチコートにソフトをかぶっている。常に部下を罵倒しているが、理解があって判断は正しい。演じるのはJ.D.キャノンという俳優で、わたしは彼の名をレタリングしてルーズリーフに入れていた記憶がある。


吹き替えは加藤武だが、今回は多重放送だから「本当の声」もこっそり聴いてみた。何もこっそり聴かなくてもいいが、中学生の相手としてふさわしくなくても(J.D.キャノンは当時すでに50歳をすぎていた)、現在なら(年齢の点においては)可能である。従って、一抹のやましさがある。
というような愚かな日本人の所業について一生知ることなく、J.D.キャノンは2005年に逝去していた。享年83。