東京brary日乗

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東上野の踏切

brary2008-11-03

 JR上野駅下谷口を出て昭和通りを渡り、一本入った左側に、東京メトロの建物がある。駅構内に掲示された地図をみると、短い貨物の引込み線のようなものがあって、建物を通って消えている。
 知っている人は知っているが、これは地下鉄銀座線が地下に入るところ、である。地下鉄の大きい車庫なら、丸の内線の後楽園と茗荷谷の間にあるが、銀座線はもっと小規模で町の中にある。さらに、車両を調整するたまりから地下に入る途中、道路を横断するので踏切がある。朝の7時ごろ、地下鉄が通るのがよく見られるというので、早朝の寄り道をしたのである。


 祝日ダイヤのせいなのかどうかわからないが、残念ながら遮断機は上ったままで、地下鉄が通る気配はない。けれども、この周辺は上野のような巨大ターミナルの至近でありながら、しもた家が残る。地下鉄の引込み線も残る。木枯らしが吹きはじめ、そろそろ晩秋にかかってきた早朝。祝日で誰もいない曇天の東上野は、実はかなりハードボイルドでもある。こっそり地下鉄の踏切見学をしたわたしは、黒革のブーツでなるべく大股に歩き、肩をいからして仕事に行った。