東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

築地の落し物

バイトに行ったら場外は大変な人出だったが、昨日、今日はNHKで築地の面白い番組を放送した。リポーターのようなものが出てくるのではなく、場内で働く人の技や道具を40分ぐらいでさっぱり紹介する。
まぐろをさばく長い包丁であるとか、長靴(夏冬二足ずつ、年4足履きつぶす)、使われる水の量、潮待茶屋という名の由来など。ナレーションは柳家喬太郎。魚河岸とは縁の深い、成田屋も出た。魚河岸は歌舞伎の贔屓で、幕を贈ったり、見物をする。中央区聞き書きでもうかがったのである。


築地の大店では修行した者が独立して、また築地に店を出す。その人たちは、親子関係のような形でネットワークをつくる。ハーバードの人類学者は、このような構造を「築地」という本に書いた。その人は、市場の遺失物の掲示板に「現金」とあるのに着目して、現金が落し物で届けられる築地のありようを賞賛していたが、わたしはそのほかの遺失物が「タコ」「ハモ」であるのに、大いに着目した。