有為の日
きのう秩父から帰ってきて、疲労のあまり何もしないでいたら、あっという間に午後である。これ以上無為にすごしてはいけないと思い、8年前に部分コピーした希少本の残りを入手するため、非常に久々に深川図書館に行くことにした。よく考えたら、深川には自転車ハウスりんりんがあり、昨夏の猛暑で溶けたギアチェンジのゴムを取り換えてもらえば、非常に有為である。
自転車ハウスりんりんに行くのは5年ぶりぐらいであるが、ぜんぜんなくなっておらず、あいかわらずとても感じがよく、お客さんがどんどん来る。ギアのゴムはすぐあって、おにいさんがムギュムギュと差し込んで30秒で直った。500円払って、グリップを握ってももう手が黒くならない。
遅い午後、たっぷり雨を含んだ木々の中に、美しい深川図書館がある。本をコピーして、蚊に刺されないように駅のほうに抜けると、BOOKSりんご屋という書店があり、ごく普通の大きくない本屋なのになんとなく怪しい。外から背伸びをしてみたら、「印刷・デスクトップ」という札が真ん中あたりに下がっていて本当に怪しいので入ったら、見たことのない本があった。
田中正明『印刷物の考現学』印刷学会出版部
松浦広『図説 印刷文化の原点』印刷朝陽会
松浦氏は、都立工芸高校の印刷科を卒業していて、その成り立ちについても記している。学校における印刷教育ということにまったく思い及ばなかったので、たいへん為になる。