東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

クロイワのりもの

朝、郊外の主が化粧もせず家で着ている簡便服のまま車の鍵をもってでかけようとしている。デイリースポーツを買いにゆくに違いないが、サンスポとアイスキャンデーも買うというので、他人様からしたら甲斐性のない暴力息子を年金で養っている老母のようにみえるから、わたしが行った。坂の上のセブンイレブンは自転車でゆけば三分。

セブンイレブンにしたのはお盆だと思ったからで、常は徒歩1分のところにある「クロイワのりもの」で買っているらしい。それまであった酒屋的コンビニがよしてしまって以来、「クロイワのりもの」にしている。クロイワのりものの商売は、元は三輪車などであったが、現在は虫取り網とかまりのような古典的な玩具である。郊外の家のある新興住宅地には、以前ほど小さな子はいなくて、クロイワのりものの店舗はむやみに広い。


しかし、先週行かされて知ったが、クロイワのりものは朝8時半には店を開けている。電灯と冷房とシャッター半分を節約して暗い中にそろそろと入ると、右方向から「いらっしゃい!」という威勢のよい声がする。立っているのは首にタオルをまいたおかみさんで、130円渡すと「毎度!」と言ってくれた。
クロイワのりもの内部には雑誌スタンドが思いのほかたくさんあって、NHKのテキストなどが一冊ずつ並んでいる。郊外の主によれば、デイリースポーツはいつも一部しかない由。ほとんど郊外の主のために仕入れてくれているのではないかと思われる。従って、たしかに「毎度」利用している。彼女がタモを買ったのもクロイワのりものである。