東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

イイノホールにいらっしゃい

にっかん飛切落語会三夜連続スペシャル、第一夜。
イイノホール閉館につき、にっかん飛切落語会も34年目にして一旦終了。猫の〜をどうするか思案中なので、こちらにとりあえずメモ。

○桂三歩
○掛取り 桂小米朝
○唖の釣 柳家花緑
○池田大助(大岡政談)林家正蔵
〜中入り〜
○対談 桂米朝澤田隆治桂小米朝
権助魚 春風亭昇太
○涙をこらえてカラオケを 桂三枝


前半、御曹司コーナー。御曹司は何しろいい着物を着ている。とくに、息をのむきれいさの小米朝、音楽づくし、落語づくしで明るく穏やかに客席をあたためる。花緑が冷ます。正蔵、役柄に実力が伴わないから、愈々気の毒。しかし、第一夜は上方トリビュートなので、御曹司攻勢は、東京側ホストとしては絶妙の人選ともいえた。


後半、異常に豪華。米朝師匠が対談形式なのは、直前の主催者の説明で始めて知ったが、「対談ですが了解してください」であり、聞き手の澤田隆治氏を紹介しない。澤田氏なら文句は言わないどころかラッキーなのに、主催者の非礼に驚く。師匠は老人力に国宝力が加わっている。昇太OK、白眉は桂三枝。言うであろうことがわかっているのに、椅子から落ちるほどおかしい。カラオケ葬という設定の演目も、際物を使っていながらまるで古くない。東京で、これだけ気持ちよく笑わせられる落語家に思い当たらない。(落語家でなければ、第三夜に登場する松元ヒロがいる。)


桂米朝上方落語の中興の祖であることは間違いないが、桂三枝がいたことも、上方落語にとって本当に幸運としかいいようがない。