東京brary日乗

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大島弓子問題

大島弓子グーグーだって猫である』が文庫で出たので読んでみる。正直なところ、わたしは大島弓子があまり得意ではない。70年代に「週刊少女コミック」を定期購読していたので、「綿の国星」が巻頭カラーで載ったのを覚えているが、理解できなかった。もちろん大島弓子が悪いのではまったくない(どころか大傑作といわれている)。
全体に、ふわふわしたものが苦手という理由にすぎない。


グーグーだって猫である』はよくわかってそれなりに面白いのだけれど、なかの一編にある、「『ねこのエサ』と言うのはいささか無神経で、『ごはん』とよぶところに愛情がある」、という説にはやはり同調できないのである。
それは、ねこに向かっていうときは構わないが(実際そう言っているが)、誰もがねこを好きなわけではないし、ペットを飼っているわけではない。したがって、明らかにそうした言い方を共有できるとわかっていない場面では「えさをやる」と言うのがただしい、とわたしは考えるので、今もってなかなか大島弓子に接近できないのである。