東京brary日乗

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かなしみは雨のように 都立図書館の一日

brary2009-03-04

朝から張り切って広尾の図書館に行ったら、様子がおかしい。何度も書いているが、中央図書館は、参考資料と雑誌のアクセスが特によく、セルフコピーもできるいい図書館である。しかしそのいちばんよいところが、リニューアルのために長期間使えずにいた。また使えるようになり、利便性も増していると期待していた。


入ると、はやりの「サービス的な態度」である。過剰に愛想がよく、何かきかれたら答える人があちこちにいて、お客様、と呼ばれる(昨日は、国会図書館でもお客様呼ばわりされた)。そのようにしなさい、と言われてしている人は悪くない。感じが悪いよりよい方がいい。
けれども、十年分ぐらいを一気に目を通してしまおうと思った雑誌は、それほど古くないのにすべてマイクロ化されていた。マイクロのコピーは、一枚90円!書庫にあって開架でないというだけで、6年前の本がセルフコピーできない。さらに、雑誌類の多くが多摩に移管されることになっている。国会図書館にないものが、広尾にはあるのに。


はいってすぐの、窓に面したすてきな閲覧スペースも7割ぐらい削られていた。ただし食堂は改善されていて、少ない人数でがんばるおじさんは、お客様といわずにわたしのことを「奥さん」と呼んだ(ただ、この場合にはお客さん、でもよかった)。
さまざまなことに悲しみながら、それでも半日いた。夕方、あまり収穫はなかったと思いながらも、今日の作業中に見つけた本(学校その他にはない)を請求してみたところ、当たりである。ただし思いのほか厚く(6センチ)、そろそろ日が暮れる。くじけずに探しなおして、日比谷で借りられるのを知り、行くことにした。
しかし、表は雨が降っていたのである。傘はない。


傘を差し出してくださった若い方に丁重にお礼を言って、坂下のアメリカスーパーまで走り、ビニール傘を買って、日比谷図書館に行った。日比谷図書館は今月末で一時閉館となる。ふたたび開く日には、千代田区立図書館になっている。わたしの「ひびやカード」は期限が切れていて、あとひと月なのに新しいカードを作った。今日の本は、多分都立日比谷図書館で借りる最後の本になる。公会堂の前には、各県の観光バスが一台ずつ留まっていて、それは全国の観光バスに働く方々の大会であった。