東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

ひばりが丘団地

デジタルテレビのいいところがあるとすれば、予約できるところである。
見よう!と思っても忘れる番組を予約しておくと、時間になるとつく。ただし、夜は大抵ひとりなので、静かなところに突然ステレオ放送が喋るとかなりこわい。

見よう!と思う番組はそう多くないが、あるとすれば夜の9時から11時ごろにかけての、NHKBSの番組である。昨日はそれを予約しておいて、「ひばりが丘団地」という30分番組をみた。ひばりが丘団地については、前も別の番組(個人の8ミリを探して映す番組)で、ベランダで餅つきをしたりしているのをよくみた。

今回のは、カメラマンシリーズ 春「団地50年の記憶 東京・ひばりが丘」 というもので、カメラワークを中心とした番組。ナレーションで構成するのではなくて、音声はインタビュー中心。解説は字幕で出る。ひばりが丘団地は建ってから50年になる。3年後に取り壊しが決まっている。引越しをしている人や、まだ最後まで住む人や、もう越した人が登場する。


引っ越す81歳の老婦人は、取り壊しになる部屋をすべてきれいに片付けた。最後の始末に現われて、使い慣れた台所の、壁の穴に差し込んだフック(おたまなどをかける)をひとつひとつ取り除いた。死んだお父さんが書いた紙の標札を持って、部屋を出た。

大きく育った桃の木やみかんの木は、それぞれ食べた人が「おいしかったから」種を植えたのが育った。まだ育てている人は、3年後にどうするか決めていない。
わたしはひばりが丘団地に行ったことがないが、ひばりが丘団地に暮らした人と重なる年月を生きている。