東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

入浴の季節(2)人間編

うちの風呂は青年の働きにより直ったわけだが、新しい風呂は喋る。
湯沸かし器を取り替えたとき、台所で音声をオフにしたら、風呂場で「音量がゼロになりました」と大声で言ったので、以後勝負する気になった。

給湯するとき「お湯張りをします」と言う。「お湯張り」などということばを、私は聞いたことがない。なぜ「お湯を入れます」と言わないのか。毎回問いただすが答えない。しかも「します」がうまく言えず、「ひまふ」ときこえる。しかも、声が黒木瞳に似ている。


風呂が満タンになると喋るのはむろんだが、なる前も「もうすぐお風呂が沸きます」と言う。「お湯張り」をしているのであって、沸かしていないのにウソをついている。満タンになると「人形の夢と目覚め」が鳴る。「メヌエット」とか「カノン」ならよかったが、「人形の夢と目覚め」だったため、その曲名を思い出すのに二ヶ月近くも苦しんだ。