東京brary日乗

旧はてなダイアリー「東京brary日乗」から移行しました。2019/2/28

空から日本を見てみよう

家人が留守なので、のびのびすごしていたら、「八時からある都電荒川線の番組」について通報があった。そのような番組や特集はあまりによくあるが、報せてくれたので一応見た。
テレビ東京の「空から日本を見てみよう」という番組であった。あまりに面白くて仰天した。その面白さは、二ヶ月ぶりにブログの更新をせざるを得ぬほどである。これほど面白いものを、わたしはもう三ヶ月も見逃してきた。迂闊にも程がある。


簡単に言えば、一定のエリアをヘリコプターで空撮しながら、ときどき目立つものを紹介する番組である。しかし、あまたある「散歩もの」とは比較にならないほど爽やかでたのしく、興味深い。
まず、もちろん空からの風景であることが面白い。スタジオ風景は一切ない。画面はゆるゆるとした音楽が流れているが、「あれは何だ?」というものをみつけた場合、イエローマジックオーケストラの「ファイヤークラッカー」が流れて、カメラが寄ってゆく。

その先は、知っているものやあまり見たことのないものである。東京書籍で教科書を作る工場にある裁断機とか、造幣局で貨幣を洗う機械とか、東京中の料理屋の割烹着を洗濯するクリーニング店のプレス機とかである。


散歩ものではないが空中散歩であるから、散歩者はいる。雲二名(くもじい、くもみ)である。伊武雅刀柳原可奈子(この人については知らなかった)の二人が声を担当して秀逸である。内容といい間といい、申し分がない。画面と説明をみて、まさに口に出そうと思った反応がある。抜群のセンスに、何度爆笑したかわからない。都立高校の上を通るときに年間授業料がいくらか言ったりもする。雲二名はうるさいどころか、それによって番組の面白さが三倍増している。構成作家はどういう人かと思う。


無駄なリフレインなど一切ない。偶然ふうなやらせもない。すべては念入りに撮影・編集されて、さくさくとリズミカルにすすみ、雲の上にいる心地よさを決して損なわない。まだ一回しかみていないが、次回見逃すわけにはゆかないので予約した。番組のホームページの動画では、すばらしさの2%も伝えていないのが残念。